肌の部分にMr.カラーNo.51の下地塗装を吹いた状態。ラッカー系なのでペトロールでで溶いた油彩でこすってもグレーが露出することはない。日本兵の方は緊迫した表情なのにオーストラリア兵は引きつったような表情になっている。
まずは目入れから始める。ここは周囲と混ざってしまっては困るので塗料は乾燥の早いタミヤエナメルで行っている。あらかじめ作ってあるフラットフレッシュにホワイトを混ぜたもので白目の部分を塗装する。方法は基本的に1/6フィギュアのベトナム・ナースと同じ。
エナメルのブラウンで黒目の場所、大きさを決めてしまう。上下へのはみ出しは後でトリミングされるので気にしなくてよい。20年前の日本の模型界なら顔はこれで完成としていたので懐かしい顔である。
黒目の周囲だけが残るように再び白目色で中心を塗りつぶす。視線の設定にもよるが、普通の状態では黒目は真円ではなくて上側が少し上瞼で欠けたようにした方が自然な感じになる。この位の作業なら万が一失敗してもエナメル溶剤で拭き取ってやり直せばよい。
中心にブラックで瞳を入れる。ここまで進んだらやり直しはつらいのでタミヤアクリルのクリヤーで目全体をコーティングする。
黒目全体にタミヤエナメルのクリヤーオレンジとクリヤーブルーを薄く入れる。日本兵は東洋人なのでスモークの方が良かったかもしれない。
エナメル溶剤を少し含ませた筆で瞳の周囲のクリヤーカラーを剥がし、下のホワイトが透けて見えるようにする。アクリルでコーティングしてあるので失敗してもやり直しができるし、下の白目色が溶けることもない。。何だか失敗を予定しているようであるが、実際一回で決まることの方が少ないので何回かやり直ししている。
顔の塗装はAMの松岡さんと同じようにシャドウから始める。単に油彩のバーントシェンナを窪んだところや陰になるところに塗るが、目の周囲ははみ出しの修正と睫毛を兼ねて塗りつぶしておく。
日本兵はジョーンブリアンNo.3、オーストラリア兵はNo.2にバーントシェンナを混ぜた色を4段階作ってブレンディングしながら塗っていったが、No.2とNo.3はほとんど同じなので人種の違いがわからなくなってしまった。
オーストラリア兵の方を1段階明るめにしてみたところ、おねえちゃん系フィギュアと同じような顔色になってしまった(^^;。両方とも肌の色にランプブラックを混ぜたもので髭剃り跡を表現したが、日本兵の方はやや濃い目にして曹長らしくおじさん顔にした。
唇、歯、舌?、髪の毛(日本兵は剃り跡)、眉を塗って顔の塗装終了。日本兵の眉はランプブラックだが、そのまま黒を乗せると「こち亀の両さん」になってしまうので、ドライブラシ程度に薄く塗って周囲となじませた。
どちらが女にもてそうかと言えばオーストラリア兵の方に軍配が上がるが、どちらが強そうかとなると日本兵の方が数段迫力ある形相になっている。オーストラリア兵の方は顔面蒼白の冷や汗状態のように見える。オーストラリアファンの方には申し訳ないが、並べるとなると効果的だったかと思う。主役はあくまで日本陸軍下士官なので。