と言うわけで(ドウイウワケジャ)ほぼ組み上がったのである。手に持つとずっしりと重くて迫力がある。砲身は金属製のいいやつが2種類入っているので、接着しないで後で交換も出来るようにしよう。さあ下地塗装、という段になって車体をよ〜く眺めてみた。
フェンダー上の装備品を眺めていると何か違うような気がする。このキットは実物の素材が木製の部分までメタルパーツで出来ているのだが、アンテナ収納用の木枠の支持架は2カ所突起があるだけだし(実車は3カ所)、工具の留め具もただ四角い固まりになっているだけである。もしこれがプラパーツならもう少しなんとか出来たんじゃないかと思えてくる。メッシュや予備履帯留め具などのエッチングパーツは薄くてそれなりにいい感じなのだが、このまま塗装する気が失せてしまった。考えてみたらこのキットが出る前は、III号戦車はタミヤの旧金型のみで、当時としてはそれなりに驚愕したキットだったわけで、現在のエッチングにまみれた目で見るのはかわいそうな気もする。
工具のホルダーはあんまりな状態なので何とかしたいと思った。ここはフェンダー上に大量のフィギュアを載せて隠してしまう(^◇^;)、という方法もあるが、作り直すより手間がかかるという知識を得ているので定番のABERを使うことにする。III号J型用というのも出ているが安いものではないし、天下のハイテックキットに使っても大量に余ってしまう?事が予想されるので、「German tool holders set till 1943」を買ってきた。スコップなど他にも使えそうなものが入っているし、これだけで何とかなりそう。
十年近く前に瞬着で接着した工具をカッターで全て削り落とした。最初は工具だけ取り外してホルダーをエッチングに換えて再接着すればいい位に考えていたが、ホルダーの位置が微妙に違うようだし、瞬着の痕を見ているとまたイヤになってしまった。フェンダー上のものは支持棒を含めて全て取り払ってしまう。
模型屋でまさにこのために使うようなABERの張り替え用フェンダーを見つけたので、これに張り替えることにする。III号用フェンダーは丸ごと取り替え用のものとイボイボパターンのみ張り替え用の2種類があるようだ。ちなみにIII突と兼用になっていて、裏側に両方の角度付け用スジが入っているが、ちょっと力が入るとすぐ曲がって関係のないIII突用のところまで表側からスジがわかってしまう。こいつぁまた失敗か、と思ったが、ちょうどフェンダー支持棒の部分にあたっているのでno problemなのだ(単なる偶然?)。
工具類はホルダー付きなのでそのまま取り外したが、ライトは基部がキットのフェンダー上にモールドされているので、フェンダーを掘るようにして基部ごと切り離した。工具そのものはプラキットから流用した方がいいのかもしれないが、使えるものは極力使うことにする。
キットのフェンダーのイボイボパターンを面一に削り落とさなければならないが、金属の棒ヤスリで一気にやってしまう。側面も一緒に削ってしまわないように注意してやるが、念のためビニールテープで保護しておいた。
両側フェンダーパターンを張り替え、フェンダー支持棒を取り付けて振り出しに戻った。パターンの板の接着は一発勝負なので、エポキシ接着剤5分タイプを使用しクリップで圧着した。支持棒はキットのままでは短いので外側端に届くように削る必要があった。いやぁ、high-鉄苦!(-_^;)。