砲塔番号と鉄十字のデカールは調度側面と後面のボルトにかかる部分にあるので、マークソフターが必要になる。マークソフターの説明によると事前に貼る部分にマークソフターを塗ることになっているが、このようにするとボルトにかかる部分の数字が短く縮んでしまうので、まず浮き上がった状態でデカールを乾燥させて位置を確定してしまう。完全に乾燥してデカールが動かなくなってからなじませる部分にマークソフターを塗り、少しずつ延ばして定着させる。クリアーの余白は貼る前にできるだけカットしておくが、「7」のように角度が変わってしまう恐れがあるものは余白を付けたまま貼り、乾燥後にカッターでカットして細切りにしたセロハンテープで余白を剥がしている。
デカールが完全に乾燥してからMr.トップコートをデカールの上から吹く(Mr.クリアーもあるがデカールの質によっては犯される恐れもある)。トップコートを吹いておけば上からウォッシングもできるし、本当に水で洗ってもデカールが剥げない。今回砲塔の正方形マークが歪んでいるのにトップコート後に気付き、張り直そうと思って水を付たりセロテープを貼ったりしたが、下の塗装の方が剥げかけたのであわててカッターで削り落とした(゚゚;。作品を数年放置しておくと自然にデカールが剥げてくることもあるので必ずトップコートは行うようにしている。最近翻訳版が出たトニー・グリーンランド著のパンツァーモデリングマスタークラス(PMMC)を読んだが、車体上半は多少ツヤがあるべきだと書いてあったので、今回半ツヤ消しを使用してみた。
トップコートが乾燥してから薄めたエナメルのフラットブラックというかフラットブラックを加えたエナメルシンナーでウォッシングを行う。私はウォッシング用にブラックとブラウン系のエナメルシンナーを作ってあり、これを筆洗いにも使用している。よく言われる副作用のエナメルのシミは、なりそうなところを拭き取っておけばできないし、できてしまってもシンナーで拭き取ればよい。アクリルの方がやり直しや拭き取りが大変なのでエナメルを使用している。履帯にはブラウン系でウォッシングをしたが、可動履帯はエナメルで一時的に弱くなるので一気に行い、乾燥まで決して持ってはいけないのである。そうしないとピンが曲がってバラバラになってしまう。
フラットブラックを塗ってある車外装備品と履帯にドライブラシする。タミヤペイントマーカーのクロームシルバー(PMMCにも書いてあるが、昔から銀の発色はこれが一番)をフロッピーディスクのラベルの台紙に出して使っている。木製の柄の部分は単調にならないようにブラウンで模様を描いてからフラットクリアーオレンジを塗った。
排気管はアクリルのフラットブラックを塗っておき、マフラーと根本の錆びた部分は雪のdiorama用に買ってある重曹とフラットベースを多めに混ぜたフラットブラウンを塗って表現した(要するに重曹+フラットベース+フラットブラウンってことね)。粒子の粗い粉だったら他の物でもいいと思うが、適当な物がなかったので。旧作H型の方はマフラーに今にも穴が開きそうなほど錆びてしまった(^^;。
エナメルのダークイエローにホワイトを混ぜたもので全体のドライブラシを行う。細かい部品が脱落しそうなのであまり力が入れられない。瞬間接着剤で付けた六角ボルトなどは筆で掃き落としてしまいそうだったが、ドライブラシによる損傷はなかった。
薄めたエナメルのフラットアースを全体に、下半身には多めに吹いた。あまり違いがわからないが濃度が薄すぎたかもしれない。少しツヤが抑えられた程度。かなり近づいたとは思うが旧作との色の統一もならなかった。旧作の方はかなりきつめにフラットアースを吹いた記憶があるので、後日もう一度やってみることにする。
パステル化粧もまだだが、一応IV号戦車の制作はここで一段落とする。そろそろ他のことをしないと精神衛生上よくないし、装填手さんが薄笑いを浮かべて「いい加減にしろ」と言っているようなのである(+_+)。降下猟兵をたくさん搭乗させるというdioramaのストーリーを考えると、ソフトスキンを1台登場させたいと思っているのだがどうなることやら・・・。